◆野村の巨額損失は暴落の引き金になる可能性。リーマンショック再来か?
大怪我をするときの一番大きな理由は気が緩んだときですね。
金融の世界も同じです。暴落が来るときは気が緩む≒信用取引が膨らんだときです。
バブル→バブルの崩壊→金融システムの強化という流れは常に繰り返されます。
現在の株価上昇はバブルなのか?それは、バブルが終わって初めて確認されるものであり、バブルの渦中にいる人に判断はできません。
そして、最も問題なのは今がバブルだと確信していたとしても、いつ暴落するのかまでは予測できない事です。バブルだからこそ、株価は上がり続けるわけですから、いつまでも売り続けられる訳でもないですからね。
さて、そんな中で気になるニュースがありましたので、ご紹介とともに警戒していただければと思います。
目次
野村が巨額損失へ
参考記事:野村HDが米で2200億円規模の損害も、巨額ブロック取引と関連か
上記記事にあるように野村HDが巨額損失を計上する可能性があります。これを受けて株価は急落しています。
野村HDDの株価は16%下落。テクニカル的には75日移動平均線で反発を期待したいところですが、今回のニュースは不透明感が強くテクニカルでいくとデッド・キャット・バウンスになりかねないので注意が必要でしょう。
さて、この野村の巨額損失については詳細は未公表ですが、新聞各社では200億ドル(2兆円規模)のブロック取引と関係があるとされています。
少しときを戻して、その取引の詳細を見てみましょう。
アルケゴスが前代未聞の200億ドル規模のブロック取引
参考記事:ゴールドマンの大量ブロック取引、フアン氏扱い巡る方針転換が発端か
これは先週末のアメリカ市場で大引け30分間で急騰した取引の背景として語られています。アルケゴスとは何か?ブロック取引とは?かいつまんで説明します。
ロング・ショート戦略を取るアルケゴスがマージンコールに。
アルケゴスとは大手ヘッジファンドでロング・ショート戦略を取るファンドとして知られています。基本的な戦略は銀行などから資金を借り入れレバレッジをかけた上で投資を行う。
一部報道によるとアメリカのメディア企業や中国の新興企業にロングを。ナスダックにショートを入れていたと言われています。
そのアルケゴスがマージン・コール(追証)となった事で今回の大量のブロック取引(市場ではなく相対で取引を行う事。大口が市場の乱高下を防ぎながらポジションをやり取りできるメリットがあります。)が行われた事になります。
結果として、
- 中国新興株やメディア企業は追証売りで下落→業績が良い銘柄は押し目買いに支えられ値を戻す
- ショートの巻き戻しとしてナスダック上昇→つられて全般上昇
という流れが置きました。結果として株価が上昇するので良いのでは?と思うかもしれませんが、そうもいかないのです。
貸付銀行は大損で信用収縮の可能性
さて、銀行からお金を借りて取引を行うとしましたが、中身は様々です。実際にどのようなスキームで行われていたのかは報道を待たなければなりません。
一般的に銀行から融資を受けるというよりは、今回の取引はゴールドマン・PNBパリバ・野村などが与信を与える事で実質的な貸付を行っていると考えるとわかりやすいです。
例えば私たちも、信用取引を行う際には現金を担保にして証券会社が与信を与え、保有する金額以上の投資を行う事ができますよね?
これの大規模版をやっていたという事です。
追証になれば、現物株を処部したり信用で買っていた銘柄は売らないといけません。例外はなく、アルケゴスも同様です。
そして、追証で損失を確定する訳ですが、保有資産を超える損失となった場合にはどうなるでしょうか?もちろん、アルケゴス側に支払いを求める訳ですが、無い袖は振れない訳で、破産されてしまうと、その損失は与信を与えた会社がかぶる事になります。
そこで野村は現時点で損失が2000億円ほどでると資産している事になります。
このような巨額損失が果たして野村だけの問題なのか?という事が今後議論になります。
もし、ゴールドマンやPNBパリバなどのプライム・ブローカレッジへ損失が拡大するような事になれば信用収縮となりポジションの縮小が続く事になります。
株価への影響
さて、この一連の取引とそこに絡む損失については市場では注目の的でした。
そのため、この取引が発覚したあと、最初の主要取引所となる東京市場は世界の注目を集めていました。
極論ですが、巨額損失が拡大し、プライム・ブローカレッジの影響で破綻するような銀行がでればリーマンショックになりかねない訳です。
ただ、日本市場については配当取りという固有の下値支えの影響がり比較的堅調に推移しました。ただ、ダウのCFDは軟調。14時頃には売りものがでるなら不安定な状況になっています。
また、マザーズの下げがきつくなっているのは、この信用収縮への懸念と考えられます。
グロース株が買われる理由はその成長性です。大型株やバリュー株と違って、資産があり配当が安定している訳ではありません。そのため、基本的に売却過程に入る場合、グロース株が影響を受ける事になります。
追記
下記のような記事もでてきました。ある程度投資銀行が損失を出すのは避けられない情勢ですね。
米ファンドのポジションを解消、業績に大きく影響へ=クレディ・スイス
まとめ
今回の損失の発端はそもそも、あまり噂の芳しくない人物に対して手数料欲しさに与信を与えた事です。
そして損失を出すに至っています。
逆にいえばリーマンショックの再来にならないように、先手を打ってポジションを解消したとも言えます。
ただ、まだその詳細が判明した訳ではありません。
リーマンショックの際はもう後戻りはできないほど、サブプライムローンが膨れ上がったのが原因です。
今回は一部報道によればtier1の銀行がまだ後戻りができる内にマージンコールの要求を行い、それに応えなかったファンドによるポジション解消という話もあります。
野村が巨額損失!と言っても2000億円。リーマン・ブラザーズの夫妻は64兆円です。事前に信用収縮の連鎖が起きる前に食い止めたとも言えます。
一つ言える事は短期的には市場は不安定になる可能性が高いという事です。
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